未利用な地域資源の有効活用
地域ブランド「市田柿」

長野県の南部地域では、地域団体商標を取得した市田柿が特産品として親しまれています。 市田柿は干し柿のひとつで、皮を剥き・吊るし・乾燥・粉だし等の工程を得て製品化されます。 お正月の縁起物の食べ物として親しまれてきました。
廃棄(はいき)される皮をアップサイクル

市田柿の製造過程では、大量の果皮が排出されます。一部はお漬物へ入れるなどの利用がありますがほとんどは産廃処理や畑へ戻すなどです。
古来より柿は人の健康に役立つとされ、柿渋や柿の葉等のその機能性を活かした利用がされてきました。その主な成分が「柿タンニン」の効果です。
柿タンニンについては、多くの研究がされておりその優位性も確認されています。
私たちは、廃棄されている柿果皮に着目しアップサイクルと利用方法の開発を研究しています。
柿皮の可能性

柿皮のアップサイクル方法として「色差分解」を採用しました。色差分解には素材の成分を最大限引き出すとともに、成分を取り入れやすいかたちに変え
原料としての機能性を高めます。柿皮では、柿タンニンや希少糖、βカロテン等の抽出に成功しました。
食品への添加により、保存性の向上・においの抑制・食感の向上・旨み向上等の効果が確認出来ました。
畜産では、牛への給餌試験では牛のメタンガス排出を抑えるなどの効果も出ています。
これからの未来のために

未利用資源をアップサイクルすることで、資源の有効活用と地域活性化に繋がります。
限られた資源が広がり、さらに自然由来の機能性を備えた高機能資源化が出来れば更なる付加価値を見出すことができます。
柿皮だけでなく、それぞれの地域・企業での未利用資源でも同様の取組が可能です。